JICA企画調査員 応募倍率について
先日、JICA企画調査員の2020年度上半期(4月~9月)派遣ポストの募集が始まりました。募集と同時に、最近の各ポストの応募倍率についても情報公開がされましたので、今回はそれらを元に出願傾向について見ていきたいと思います。私が実際に企画調査員に応募した時の体験談の記事はこちらからどうぞ。
JICA専門調査員 全体の応募倍率の動向
まず、JICAより今回公表された情報は、
・2018年度上半期募集
・2018年度下半期募集
・2019年度上半期募集
の3つです。私も応募した2019年度下半期はまだ集計中とのことです。
以下、地域毎の倍率、さらに最も倍率が高かったポストを比較してみます。なお、2019年上半期については延べ人数(第二希望、第三希望等も含んだ数)として公表されていますので、倍率もそれを踏まえたものになっており、前年の応募倍率とはマッチしません。
1)2018年度上半期募集
・全体の倍率
全世界115のポストに対して応募者総数が629人でしたので、倍率は約5.5倍でした。
・各地域の平均倍率
東南アジア:約5.1倍(最高はタイの業務調整専門家のポストで12倍)
大洋州:4倍(最高はソロモン、パプアニューギニア、フィジーの専門家ポストで6倍)
東&中央アジア:6倍(最高はウズベキスタンのポストで7倍)
南アジア:約5.1倍(最高はアフガニスタンの社会開発のポストで11倍)
中南米:約5.2倍(最高はセントルシアの社会開発のポストで14倍)
アフリカ:約6.1倍(最高は南スーダンの平和構築のポストで21倍)
中東&欧州:約6.1倍(最高はコソボの専門家ポストで11倍)
延べ数に基づく倍率とはいえ、中には10倍を超えるポストもあるのは驚きです。南スーダンのポストにおいては20倍以上となっていました。
2)2018年度下半期募集
・全体の倍率
全世界107のポストに対して応募者総数が432人でしたので、倍率は約4倍でした。
・各地域の平均倍率
東南アジア:約4.4倍(最高はカンボジアの業務調整専門家のポストで12倍)
大洋州:5.6倍(最高はサモア、ソロモンのポストで8倍)
東&中央アジア:約3.5倍(最高はウズベキスタンの案件形成のポストで14倍)
南アジア:約5.4倍(最高はインドのコミュニティ開発のポストで16倍)
中南米:約3.6倍(最高はコロンビアの専門家のポストで7倍)
アフリカ:約3.6倍(最高はガーナ、マラウィのポストで9倍)
中東&欧州:約4.3倍(最高はパレスチナの専門家ポストで9倍)
3)2019年度上半期募集
・全体の倍率
ポスト数は2018年度の半分以下の全世界42のポストでした。応募総数(応募者数ではない)は399でしたが、これは見かけ(延べ数)なので実際の応募者数はわかりません。
・各地域の平均倍率(応募数は延べ数)
東南アジア:12.6倍(最高は東ティモールのガバナンスのポストで21倍)
大洋州:8.7倍(最高はソロモンのポストで13倍)
東&中央アジア:7.5倍(最高はモンゴルの環境管理のポストで12倍)
南アジア:17倍(今回はパキスタンの保険医療のポストのみで17倍)
中南米:8.7倍(最高はドミニカのポストで13倍)
アフリカ:7.4倍(最高はケニアの民間セクターポストで12倍)
中東&欧州:約12倍(最高はイラクのポストで16倍)
4)感想
2019年度は延べ数表記になってしまったため、過去の分と比較ができなくなってしまいました。 2018年度だけで見ると、全体の倍率が4〜5倍強とそれほど競争率の高いものではないですが、中には10倍を超えるポストもあり、また一概にどの地域の倍率が低いとも言えないようです(もしかすると案件毎に比較すると高低があるのかもしれません)。今後応募される際の参考になれば幸いです。