全額支給奨学金 海外大学院留学プログラム Asian Peacebuilders Scholarship (APS)

元「国連平和大学 Asian Peacebuilders Schalrship (APS)」にいた学生のブログです。「日本一APSに詳しいブログ」を目指して、APS、海外大学院留学、フィリピン、コスタリカ生活など色々書き綴ってます。

APS Advanced@アテネオ大学 in フィリピン:International Relations(国際関係論)

前回までの英語コースとは異なり、今回はAdvancedより開始されるInternational Relations、国際関係論の授業についてご紹介します。

International Relations (IR) について

アテネオ大学で過ごす最初の半年は、英語の能力向上だけでなく、国連平和大学で学ぶ上で欠かせない、国際政治学に関する知識の獲得も目的の一つとなっています。

IRのレベルについて
APSプログラムは政治学の学位やバックグラウンドを持っていない方にも門戸を広げているため、大学院レベルの国際関係論の授業とは言ってもそこまで難解な国際政治学の理論は扱われず、学部レベルで習う内容の復習が目的とされている感じです(個人の感想になりますが)。
 
私自身は法学部出身で、その際少しだけ国際政治学を学んだのですが、卒業してかなり時間が経っていたので新たに国際政治を学ぶ、という感覚でした。英語の学術論文を読む、といった点でかなり苦労はしたのですが、扱われているテーマ自体はインターネットで日本語で情報収集できたり、また日本で出版されている国際関係学の入門書でも確認できたりと、いろんなリソースを使えば比較的スムーズに勉強が進められるかと思います(私個人はそういったリソースにアクセスするのが遅かったので、前半は大分苦労しました)。
IRの内容について
IRの授業では、まずはじめに国際政治学の基礎となるリアリズム(Realism)リベラリズム(Liberalism)コンストラクティビズム(Constructivism)の3つの理論について学び、そこから各理論の中でどんな議論が展開されているかについて扱われました。
 
例えば、リアリズムであれば、トゥキディデスモーゲンソーミアシャイマーウォルトそしてウォルツ。リベラリズムであれば、ドイルコヘインナイ。コンストラクティビズムであれば主にウェントの論文が扱われました。
IRの授業形式について

IRの授業では、講義というよりもディスカッションがメインでした。授業までに指定された論文を読み、事前に与えられた質問の答えを考えて授業に臨むことが求められていました。授業中は、先生がAPS生を次々当てて答えさせるソクラテス・メソッドのような形が取られ、「どうしてそう思うの?」と何度も尋ねられます。ちゃんと理論を理解しているか、議論の展開を把握できているかが重要視されているため、リーディングもただ読むのではなく、批判的に読むことが求められています。

ただでさえリーディングの量が多く感じられるのに(1つの授業につき3本程度の論文X週3回。他の大学院の授業ではもっと多いのかもしれませんが…)、その上質問の答えも考えて…となるとかなり負担の大きい授業です。